漁協の取り組み

九十九里浜のハマグリ放流事業

九十九里浜のハマグリ放流事業

ハマグリのブランド化で、地域の活性化をバックアップ

海岸線が約 60kmという長大な九十九里の砂浜域では、チョウセンハマグリ、ナガラミなどを対象に貝桁網漁業を行っています。貝類の水揚げ金額は漁港全体の約4分の1を占めており、九十九里地域にとって重要な漁業となっています。
九十九里漁協では、貝桁網船団が主に操業や資源管理に関する協議、研究を行っており、近年では漁獲物の付加価値向上にも取り組み、殻長 5cm より大きいハマグリを「九十九里地はまぐり」と命名してブランド化を進めています。また、地元の産業まつりへ積極的に参加したり、地元飲食店や民宿等と連携し、夏の“焼きハマグリ”、冬の“ハマグリ鍋”などで地元に来る人を楽しませるなど、地域振興にも参画しています。

「小型貝の保護」と「資源管理の徹底」で、今ある資源を将来につなげたい

編み目を通った小型貝は再放流します。
 
貝類漁獲量の変動は激しいため、漁業経営はとても不安定であり、地域全体で貝類の資源管理をしていく必要があります。
そこで九十九里漁協では、小型貝を保護し大きく育ててから漁獲する取り組みを行っています。春から夏にかけて波打ち際に出現する稚貝は将来の貴重な漁業資源であり、大切に守ることが資源の維持、漁家経営の安定には重要です。
貝桁網漁業で獲れたハマグリのうち、殻長 5cm以下の貝を選別して再放流するなど、地道な努力を続けています。
また2011年からは、腰巻漁具による波打ち際のハマグリの採捕者から小型貝を買い取り、沖だし放流を実施しており、以降毎年小型貝を放流してきました。

ハマグリを採らないで!

昨今、近場で海洋レジャーを楽しもうとする人が増え、ゴールデンウイークには大勢の地元住民や観光客が浜に押し寄せ,ハマグリを採られてしまう問題が継続しています。見回りやビラ配布による注意喚起をしても、効果が上がらない状況です。
今後も九十九里漁協ではハマグリの資源管理を徹底し、今ある資源を将来につなげ、ハマグリの棲む豊かな海を守っていきます。